/ANN
私は尖っている
ある面はつるつるのまんまるなのに
いつも微笑んでいたい
という願いが
そこにはある
ざらざらと大きくくぼんでいるところもある
このくぼみは
がっちり滑らないように
人を受け止めるため
金属製のところもある
昔 心を閉ざしていた時の
名残
鐘のように響くところもある
私は突然歌い出す
けれど私は尖っている
この面に止まろうとすると
傾斜で人は
するする落ちて行ってしまう
手のひらで叩き付けようとすると
その手は痛い目を見る
私がダイアルを回しているんじゃない
それは自動ドア
大きな箱の自動ドアが
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)