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私は尖っている

ある面はつるつるのまんまるなのに
いつも微笑んでいたい 
という願いが
そこにはある

ざらざらと大きくくぼんでいるところもある
このくぼみは
がっちり滑らないように
人を受け止めるため

金属製のところもある
昔 心を閉ざしていた時の
名残

鐘のように響くところもある
私は突然歌い出す




けれど私は尖っている

この面に止まろうとすると
傾斜で人は
するする落ちて行ってしまう

手のひらで叩き付けようとすると
その手は痛い目を見る

私がダイアルを回しているんじゃない
それは自動ドア
大きな箱の自動ドアが
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