手を伸ばせば,届く距離にいた/和歌こゆみ
 
『どうしても,というなら今宵
あなたに未来を見せてあげよう』

あの場所で
あたたかくもないベッドに腰掛けて
いつも手を繋ぎたいと思っていたよ
気まぐれな貴方とわたしは
眠たくなったら眠って
つかれるまでそうしてから目覚め
優しくしたい時だけ
思いやる素振りをしてみせたの

気持ちが変化するのは一瞬ていうけど
変わるんじゃなく気づくのだと知った
あのよる
二人ではなかったあの時に

いつもいつも
共有できたようなきぶん
貴方の時間も 気持ちも
映し出している世界さえ
なにひとつ理解(わか)りはしないというのに


わたしにだって傷付くことはあるのよ。
(・・・・・・・・わかってる,そんなことくらい)


幸せか不幸せか
辛いか辛くないか,なんて
わたしにしか決められないわ
周りでもなく
まして貴方などではないの


大丈夫よ。

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