朝色について/a.u.i.
 
明け烏がふっと 電線の上で羽を休める余韻であり
弱さが強さへ変わろうとした とある朝の目覚まし時計の音であり
詩人が 石っころを比喩にかけようとしたときに唱える呪文であり
雨は深夜には息を潜め
そっと 私に口づけをした


もうすでにむこっきしのバスを見送って
冷めた足なら 信号待ちの排気ガスがあっためてくれるよ
今夜あなたの見る夢が 幸せならいいな、
金の鱗が這って朝の空を流れて
電子レンジが食品を取り出せ、ってさ
上手いこといきゃ 誰かにつけた傷も
あは、飛行機雲がきれいだね、っつって
笑えるだろうか





鐘が鳴る
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