十二月のバラッド/狸亭
 
隠蔽し詩は隠棲
知能指数もこれ以上下がりようはない田貫諦市

いんちきが堂々とまかり通るこの社会
胃痙攣にもならずに若い女を誘い
自慢話に梯子酒の夜は更け呆れ返った狸親父
またまた終電馬鹿は死ななきゃ治らないモノドラマ
今年もこんな風に消えて行く去年の雪今何処
羽化登仙こころここにあらざれば何をまた思い煩う
いじめに晒されたあの生き地獄の少年時代はもう遠い
痴人夢を説きつづけて来たわが人生の二一一一三日

あきらめよわがこころ獣の眠りを眠れ籠る冬
色も匂いも木枯しの音に消されて山牛蒡
考える葦であるらし人間も明日はどうなる二日酔い
若死にの天才よりも老残の破廉恥こそはわが命



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