一人を愛する人/麒麟
 
あぁ、一人を恐れてはいけない
群れの中では
草の声も
月の声も聞こえまい

あぁ、一人を愛してはいけない
風の歌も
小雨の歌も
苦しくさせる時がくるだろう

あぁ、一人を恐れてはいけない
守られて
生かされているならば
強くなれなどしないのだ

あぁ、一人を愛してはいけない
黒い詩も
暖かい詩も
僕を曖昧にさせるだけで

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