言い訳/はらだよしひろ
自慢だけど水泳大会でビリだった
高校生の時
僕は赤点の常習だった
でも、この高校から旧帝大に現役合格したのは
未だに僕一人だけだ、という傲慢を胸に
通った学校を母校と思える
結局、行きたい大学には行けなくて
嘘さえ存在しない蟠りの中をもがいたから
楽しい思い出も思い出せない
僕は作曲家になりたかった
僕は外交官になりたかった
現実的でない夢を見て
周りに迷惑をかけた
何者でもない自分を
何者かに変えてくれる
何かが欲しかった
今だから言える
と言うのは嘘で
今しか言えない
と言うのは
少し当たっている
ような気がする
これは僕が言い訳野郎だと言う証明である
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