双子の樹 。/クローバー
そうしなければ、苦しかったのです
必要ない、邪魔なだけの存在だと
傷口が彼を責め続けていたから
いつか、姉さんも、ボクみたいに
傷つけてやるんだ。
だって、ボクばっかりなんて、ずるいじゃないか。
傷口はいつも、グジュグジュ言って
姉を、悲しませました。
悲しいが、姉を蝕んでいきました
双子の姉は、病気になってしまいました
そしてとうとう
私は、あなたを愛しているわ、と言って
枯れてしまったのです
弟は、いい気味だ、と言いました
しかし、姉を失った、その日から
傷口が腐りはじめ
終には
姉がいない寂しさに凍えて
枯れてしまったのです。。。
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僕は、斧で、双子の樹を根元から切り倒して、マキにしました。
風呂を焚くと、火の粉がふたつ絡まるように空へ
螺旋を描いて昇っていきました。
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