ショッピー・ヤマネ/ミゼット
切り捨てた内臓の
まだ 暖かいそれ
声を、あげている
よっぽど恐ろしくなって
ビニールで包んだ
”毎度ありがとうございます。ショッピー・ヤマネ”
野菜の匂いのするビニール
今は全く内蔵の匂いだ
絨毯が濡れる
(黒いスカートで良かった。)
ビニールの中くぐもった声
波が寄せて返す
ぞろり、流れ出た。
何か 汚れた何か。
外は青い空
(ああ、ロッカーの色…)
駅までは歩いていける
”毎度ありがとうございます。ショッピー・ヤマネ”
中にいるのは、(ちがう)
中にあるのは、汚れた布、靴、前に本で見た四足の化け物
なくな、なくな、なくな、なくな、声
(スカートが黒くて良かった。)
(空が青くて良かった。)
(良かった。)
その夏の日の
黒髪の
告白
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