ステレオ(4)/
仲本いすら
誰もその奇怪な事件を
口にしようとしないから
変わりにあのタバコ屋の九官鳥が
毎日一時間ずつ
事件の光景を説明している
その声は
誰にも届いていないようだが
本人は、得意げに話している
たばこを買いに来る客は
戯言だと、無視をして
マルボロに 火をつける。
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