五年ぶりの雪/海月
 
五年ぶりに都心に降り出す雪
その綺麗さを汚すように
人々は足早に目的地へ

ヌクモリなんて冷たさだけ
オモイデなんか流されるだけ
君とのいつかの日へ

とある駅のホーム僕が佇む
雪の影響で電車が遅れます
この街を後にする僕へ

イカナイデと触れる
君は雪の幻

6cm先のレールの上
この身を投げた先に

6cm先の未来の姿
降り出す雪の重さに

人々の思いは交差する
右足左足一歩一歩

またいつもの一部屋
僕は佇み
窓の外の五年ぶりの雪を見ています

マッテイテネと約束
溶けずにこの胸の中
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