セックスボランティア(R18)/宮前のん
イレで排尿するつもりなんか、彼には始めから無かったのだ。彼の勃起したものを女の手に握らせることが目的だったのだ。まるで痴漢じゃないか! たぶん、夜中そのトイレの前を通る若い女なら誰でも良かったのだ。私が通らなければ、誰か別の夜勤の看護婦さんが同じ目に遭っていたのだ。
その時の私には、彼の行為に対し嫌悪感を覚えて憤怒する以外、どうしようもなかった。こんなこと、誰にも言えないと思った。無理矢理犯されたも同然だという気がした。医局に逃げ込んでから、一度洗ったはずの手をまた何度もゴシゴシと長い時間かけて洗った。それから、狂犬に噛まれたと思おう、と思った。恋人にも友達にも言えなかった。「私は騙されて彼氏
[次のページ]
戻る 編 削 Point(53)