椅子一つ分/海月
人が嫌いな君と
人を信じない私
それでもなぜかお互いを頼っている
寄り添うことはないけど些細な話しで
深く潜る事しないで笑い合えていた
椅子一つ分離れて座り合う
横に手を伸ばせ触れ合う
そんな仕草はしないまま時間は過ぎていく
笑い合えていた日々は
切ない優しさを抱いて
苦しい愛おしさを残して
君は遠くへ
それでもなぜか君は嫌いではない
まだ温もりが在るような気がする
椅子一つ分離れた場所に
座る私と君だから
君がいなくなった事でさえ隠している
深く潜ることで地上を見ないように
それでも君は信じていられる
君は今は出会った時と同じ感情ですか?
椅子一つ分離れて座ったあの頃ままですか?
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