水花火/
コトリ
なぜだろう
わからない いまでも
暖かなシャワーに
色とりどりの塗料が溶けだす
オレンジの水滴は頬にはねた
黄色が 赤が 青が緑が 真白の浴槽に飛び散り
指先も染まる
色が、色が、空中でぶつかりあう まざりあう
炎の輝きなんて程遠い
安っぽい塗料のショウ
お葬式のようだ、と
目をつむった
(恋は続いていた)
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