霜、君/---
冷蔵庫の霜取りをしたら/恋人が出てきた/
最近見かけないと思ったら/こここんなとこにいたのか/
ツンドラにさらされた白い肌が/カチカチになってた/(もはや)/これまでか/
これまでなのか/
拝啓、愛する君/この世はもう終わりだよ/
昨夜の熱の代わりにはね返りの寒い朝がのうのうと続く/12月はたのしい行事盛り沢山な様子で/たまらない
ストーブがじわっと赤くなる/ハムスターが苦しそうにおが屑掘る/
顔は貼り付けられたような不自然さの残像の一瞬でしかないにも関わらず/充分に君と識別できる破壊力を持ったままなので/
そのまま烏が拾って百年暖めてくれないかと思う切実/
真冬でも西瓜の食べられる世代/神
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