坂の上の、店にて/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
たう。この味がある限り、何年たっても、この店に来続ける事だろう。これも、己の業というものなのか。
「美味かったかい!」
 店主が、冷やを持ってきた。
 毎回、この味に感心させられるので、来たついでに、ふと尋ねてみた。
「ああ。いつも美味いよ……、しかし、どうしてこのアイディアを思いついたんだい?」
「ああ、近頃インドだの何だのって、本格的なもんばかり流行るじゃないか。でもね、日本人には、日本人にあったカレーってもんがあるんじゃないかって、思ったのさ。ついでだから名前もシャレでつけてみたら、思わぬ売れ行きさ。あんたにも気に入ってもらってよかったよ」
「ああ、どういたしまして」
 同じ意
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