心に積もるほこり/炭本 樹宏
 
 空から優しい白雪が
 舞い降りる
 穢れを清めるように

 思惑が疑いを呼び
 誤解が人を切り裂く

 みんな仲良くできたらいいのに

 守るべきものがある
 奪おうとするものがいる

 精神と心は身体の檻に閉じ込められ
 理想は死んでいく

 それでも人は
 生きていかなければならない

 離れていく
 近づいてくる
 繰り返し

 季節に翻弄されながら
 また一つ
 過ちが繰り返される

 傍観できるうちは
 善良な市民でいられた

 もう僕は
 人の渦の中で
 引き裂かれていく

 心に積もるほこり



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