恋文/蒸発王
 




このまま死んでいこうと誓いました




けれど

今晩

死神が私の前に現れ

貴方の顔を目の前にすると



思わず遺言が書きたいと言ってしまいました





どうしても筆をとらずにはいられませんでした






貴方が




好きです






最期の最期で貴方に酷いことをする私を

どうか憎んで下さい

酷い奴がいたもんだと鼻で笑ってください

忘れてくださっても構いません





だから

泣かないで下さい


そして

幸せになって下さい



貴方が好きです



        

ありがとうございました





          


             追伸:この手紙は遺言ではなく最初で最期の恋文です
                破いても燃やしても構いません









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