*夢であいましょう*/かおる
ように眠った
起き抜けのニュースは
映画さながらだった
普段の仕事は待ったなしで降ってくる
知人は大丈夫なのか・・・
謀殺される中、ふた月遅れで辞令を受け
煙と埃の舞い上がるグランド・ゼロへ
安否を問うビラと物見高い群衆が犇めき合う
ニューヨーク冬の名物の地下鉄の煙と同じゆげ
燻る匂いは凍り付く事も無く
胸の奥底をギュっと攫んで離れない
街が一つ消え去った跡
全てはやはり砂城のようで
夢から覚めた現実には
どんな粉薬が蒔かれたのか
あの日は長い夏休み気分が終わった
抜けるような蒼空が広がる
典型的な休日明けの火曜日だった
この街の小高い丘からもハドソンリバーを挟んで
摩天楼がクッキリと浮かんでいた
眠り姫は来ない王子のキスを待つ
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