ペイター「ルネサンス」 (4)/藤原 実
現されているのは、音楽芸術である。至上の瞬間においては音楽では目的と手段、形式と内容、主題と表現の区別がつかない。それらは互にかかわりあい,完全に融和しあっている。それゆえに、すべての芸術は音楽 ------ その完全な瞬間の状態を絶えず志向する」
(「ジョルジョーネ派」)
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高橋源一郎は、『小説教室』(岩波新書)のなかで、谷川俊太郎の「かなしみ」と藤井貞和の「詩織」という詩を例にあげて、「すべての詩は、その、はっきりとは見えない、けれどはっきりと存在していることだけはわかる、ある形、に向かって書かれているように、わたしに
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