冬に海を眺めた辺り/
加藤泰清
小指が曲がらなくて
指輪がはまらない
意図しない動きから海中を流れるくらげまで
水面に浮かぶポリ袋が
月明かりを反射した
まぶしいとは言えないまでも
指輪を包むには充分すぎました
輝いたのはそれでした
水平線に流氷が見える
通り過ぎたから私にはどうしようもなかった
戻る
編
削
Point
(8)