小説?3/加藤泰清
 
度で示した。それはまさしく威風堂々であった。
猫は黒と茶の縞模様である。雑種である。短毛である。目玉は緑であるという噂である。何故噂なのかと言うと、誰も猫を直視できないからだ。先程威風堂々であるといった理由から人々は、猫自身を見る事は自分にはおこがましいことだ、と自覚しているからだ。猫のあくびはとてもかわいい。しかし人々はその姿を目にすることはできない。それは悲しいことではあるがそれが現実なのだと、人々は極めて大人達だった。猫はそんなこと知ったことではないと言うほどに威風堂々である。


             【中略】


                              おわり


                  〜「威風堂々だった猫」途中省略版〜
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