曙の唄/チQ
 
一億総病人の中で
何を見聞き何を考え何に触れて熱いと思い

声を出し指で打ちながら爪が伸びてる
そんな事に気付かずに何を愛でる
体を十字に掻きむしれば掻きむしるほど
切ない気持ちになんてならないしなるとしたら夢だ

半透明で泳ぎながら域を敷いているのかないのか何が
それすら鏡を直視してもわからないなんて言いながら実は
ここ以外はゴミの山ゴミ屋敷ゴミで死なないなんて胡座
あがる座敷招かれて茶菓子に舌をポンと鳴らせば廊下の向こうから
弾かれるナイロンの黒い綱渡りと谷底の底の底の
空間がメロディメイカーだって事じゃない
そこは電池
電子原子 木の葉
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