アザムクライ/ねなぎ
夜の闇に
匂いがしている
もう夏の
炎帝が立つ季節
限りなく見える
そんな中で
うつろいやすく
取り残されて
何を思えば
いいのだろう
少しずつ変化する
周りとともに
自分も変わり
思い出せない
そんな中で
何を思えば
いいのだろうか
蝕まれるみたいに
目の前に縛られ
考えはいつも
巡っていく
人々は皆
足早に進み
暑さに音さえ
消えていく中
せみの声も
車の音も
全てを流して
しまえるように
どこかへ
慣れるという
鈍さ
何を思えば
いいんだ
何を思う
べきなのか
海の匂いがしてる
夜に人はいない
風が吹いている
何も思えない
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