地球儀/
相馬四弦
空には穴が開いている
誰かがこっそり覗いてる
交差点の真ん中に
するりと垂れた縄梯子
かばんを置いて昇ってく
初夏正午の花時計
白い帽子のカフェテラス
モノレールライン 横切るツバメ
だんだん小さくなってゆく
見えなくなって地図になる
知らない君に逢いにゆく
心が透けて陽に踊る
風に混ざって雲になる
いつしか穴は宵に溶け
ぽたりと墜ちる 一粒の雨
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