森はどこまでも広がるのか/
ミゼット
「こうも深々と冷えて参りますと、どうにも腕が疼くのです」
冷えては赤い、赤い糸が
木々の枝から垂れている
片手に を持ってひとり、歩く
(耐えられぬわけでは。)
(けれども。)
森がたてるのは木の実の落ちる音ばかり
(あれがどこにもいない)
(欲しいのはあれだけだ)
糸の間を辿る
枝を取るのだと偽って森へ行く
森へ行く
森へ
冷えた日に
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