夜警/MOJO
な薬を処方されたが、いま服用しているものは、一分が何事もなく過ぎ、六十分が過ぎ、二十四時間が過ぎる。そんなふうにもう二年ちかくが過ぎていった。血圧の高い者が薬を常用するようなものさ。そうたかを括っているが、一方ではそれでは済まない、済むはずがない、と囁く声も聴こえる。
日付が変ってから、眠剤を服用し、ベッドに入る。目を閉じて暫らくすると、いつもの如く異形の者達がベッドの周りによってくる。彼らは毎夜現れて、私についてあれこれ語り合う。
「こいつ、案外しつっこいな、この期におよんで、自分は何か創造できる、と想っているみたいだ」
「まったく図々しいやつさ。未だに自分の居場所が見つからない、なんて
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