タレー 2/狸亭
 

あけぼのにそめあげられた、タレー
乾季の、おだやかな海がぼくをさそう。
貴婦人のやわらかい肌に、抱かれ、
羊水の中で、いつまでも寄り添う、

おおきな愛のような、感触にたわむれ、
ただよいながら、あおむけにながめる世相。
地上の花花の、色香もいつしかわすれ、
そこぬけにあかるい青空にうつる、戦争。

なんとなくねつっぽいぼくの頭は、
もっともっとあつい太陽にやかれ、
河童のようにこがれるのだ、タレー

に。存在のはじめのころ、こわごわ、
この身をうかべ、ささえられていた、あの、ゆれ。
今日は、そんなきみの中にいるよ、タレー。

 (押韻定型詩の試み 34)



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