密触/
相馬四弦
夕闇が水面を眠らせる
山頂に並ぶ鉄塔が月輪を支えて
溜池の柵に突き刺さった雲影
何処へつづくのか知らない獣道を
あなたの手を引いて走った
互いの体温は確かなものだったけど
どうにも電気的な生滅交感
囲う枝振りがどれも嘲笑に見える
欠けゆく月
腐葉に足をすべらせて
泣き叫んだ密密の山
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