消えてしまいたい。/フユナ
ません。自分の胸にどんな気持ちも秘めておくのは簡単です。ですが、私は父の性格に似たどんな人にも、こんなことをして欲しくない。自分に向けられている、家族やらだれかからの愛情に気付いて、それを信じて欲しい。この場所に居続けて欲しい。家族の中に、友人の中に。そして、捨てられる人の言葉に耳を貸して欲しい。
この一、二年、幸せでした。父と母が畑で作った野菜を食べて、父の得意げな話を聞く。家に帰ると、会話が少ないながらも居間に親二人が、和やかそうにお茶を飲んでテレビを見て笑っている。夜には、「歩いてくるから」といって二人で出かけていきました。映画にも行って、最近は家族旅行もしました。二年前には、
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