タレー/狸亭
 

パーサータイ(タイ語)では、
海のことをタレーと発音する。
この道をまっすぐ行くとタレーに達する。
椰子林と湿地帯の交互につづく道の果てには、

佛暦二五三六年の浪のしわ
まんまんとたたえるシャム湾がある。
日焼けした漁師がタレーにむかって合掌する。
タレーとまじわる朝焼けになみだぐんでいる童話。

さわがしい国からやってきて
夜明けの散歩も習慣になり、
鳥や牛や蛙のなきごえも日常となり、

日々耳をうつパーサータイのタレー。
亜熱帯の夜空にはなんともきれいな星があり、
まだわかいココナツのたわわにみのるとなり。

 (押韻定型詩の試み 33)




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