さびしい愛情/
かや
お前との間には
いつも渇いた隔たりがあり
少し上向きの
幼い口びるに舌を寄せても
私の熱はひんやりと
遮られる
お前の泣き顔が好きだ
ほうけた赤い目と
くずれてしまった化粧が好きだ
お前がどれだけ世の男達に
きらめく笑顔をくれてやろうと
その悲しみだけは
私のものだと
誓ってくれないか
四角く透きとおった
その箱のなかで
可憐な花の命が尽きるのを
見届けよう
私とそっくりな
お前
この瞳(め)の中で泣けばいい
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