ドルフィン/光冨郁也
 
を起動する。
通信しようとすると、
インターネットも、
電子メールも、
設定不良を知らせる、
メッセージがでるだけで、
しかたなく、パソコンをダウンすると、
停止する音、画面の光が消える。

額の絵の脇、
ミニコンポから、
環境CDをかける。
スピーカーから、
繰り返される、
海中の気泡の音、
ドルフィンの、
(絵の中からも)
遠くによびかけるホイッスル。
部屋よりも、
外の方が明るい夜、
窓を通した光が、
額の中の青に、
リクライニング・ベッドの、
わたしの半身を映している。

深みに横たわり、
沈黙しながら、
窓ガラスの、ゆらぐ光を見ている。
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