繰り返すものたち/生得(こもん氏の作品について2)/渡邉建志
 
rum/i_doc.php?did=43428 より


きみはすいかを近くと遠くでころがして、
動物みたいに
移動して
いた。まだ生まれていない、生まれる手前の





時間がうまくいかずに、ここで
いま
きみはすいかを
ころがして、
移動する




しつこいけれどもスイカではなく西瓜でもなくすいかであり、転がすのではなくころがすのであり、そして対象は静止ではなく移動するのである。この移動は真夜中に冷蔵庫を運ぶのと同じ類の移動 すなわち一人でのよちよち歩きなのだが、それに寄り添うひらがな表示がとてもあたたかい。
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