8月4日 (または、いかにして少年は詩人へと変貌を遂げるのか)/コトリ
 


けむりは
つぎのえきまでついてきて
そのことは
おとうさんもおかあさんも見ていなくて
いもうとは赤ちゃんだから分からなくて
小さなおばあちゃんもたぶんしらないから
ぼくは
おなかのおくがきゅうっとなって
どうしたらいいか分からなくなってしまったんだ。



いえにかえって
え日記にみどりのクレヨンをぬろうとしたら
おかあさんが
「あらあら、海はあおじゃないの。」
とわらって言ったんだ。
おとうさんが
「いちばんの思い出はなにかな。
スイカのことかな、大きななみのことかな。」
とわらって言ったんだ。
ふたりはうれしそうに
え日記ができあがるのを

[次のページ]
戻る   Point(5)