8月4日 (または、いかにして少年は詩人へと変貌を遂げるのか)/コトリ
けむりは
つぎのえきまでついてきて
そのことは
おとうさんもおかあさんも見ていなくて
いもうとは赤ちゃんだから分からなくて
小さなおばあちゃんもたぶんしらないから
ぼくは
おなかのおくがきゅうっとなって
どうしたらいいか分からなくなってしまったんだ。
いえにかえって
え日記にみどりのクレヨンをぬろうとしたら
おかあさんが
「あらあら、海はあおじゃないの。」
とわらって言ったんだ。
おとうさんが
「いちばんの思い出はなにかな。
スイカのことかな、大きななみのことかな。」
とわらって言ったんだ。
ふたりはうれしそうに
え日記ができあがるのを
ぼ
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