詩のおっさんのこと/Monk
 
おそるおそる聞いたのだけど、
おっさんはいまさら何を言うとんねんみたいな顔をして「あほか。
どこに娘がおんねん」と言った。僕はひどく納得がいかなかったの
だが同時に恥ずかしくなってそのままケーキ屋に逃げ込んだ。


詩のおっさんは晴れた日にプラモデルを作りたがる。晴れれば晴れ
るほどその欲求は強くなるらしい。特に好きなのは城のプラモデル
で中でも姫路城がお気に入りであり、この間は姫路城の写真まで見
せてもらった。しかしおっさんは一度もプラモデルを作ったことが
ない。どうしてか聞いたら「そんなもん、作ってもうたら終わりや
がな」と言ってまた姫路城の写真を見ながらお昼のクリームパ
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