猫/Ree.
にゃああとないた
ことばでないた。
確かにないた。
きみは猫だった
どうしようもなくおぼろげな記憶で君をインプットしている
見上げた目にやられちまったんだい 此の世で信頼しているのはまるであなただけよと言う
そんな目はどこかで見かけたことがあったけれども
君の摘んだ華を手がかりに拾い上げた。
がたんごとん。ぎっこんばったん。
バランスが崩れる音を聞くのは未だ少しだけ早い気がしてる
ガラス戸をたたくのは君だけな気もしてる
ひたすらまだ此の目できちんと見つめたいんだ。
此の世に咲く華を
だから、そういうことで。
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