ジョコンダ 《L・H・O・O・Q》→〜Elle a chaud au cul〜→(彼女はお尻が熱い)/人間
 
行きずりの虚構
誰だって後ろ姿には平伏すしかない
そうやって歴史をやり過ごしていく姿が美しくて
彼女、日々あたしの子宮から精液を搾り出していた

彼女とダブって搾乳機のように前後する記憶

いつも休日の公園の真昼間には彼女独特の祭りが開催される
あたし、常連
絨毯の毛羽立ちのように配置された公共物
沈殿した粘液層のように滞留(たいりゅう)した空
骨髄のような噴水
その周りを不規則な足取りで回転する黄金の水牛
彼女、それらの間を掻い潜ってステップ踏む、回る、早く、柔らかく
もちろん観客は周囲総立ち
ベンチの上、時計の上、ゴミ箱の上、木の上にまで登って
もちろんあ
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