どこにでもある話 2/いとう
 



これは自分の部屋でとある女の子から聞いた話
そのとき口説こうと思っていた女の子の話

彼女にはずっと片思いだった人がいて
ずっとっていうのは半年くらいだけれど
半年は彼女の感覚ではずっとなのだけれど
とにかく
基本的にじっと待って云々というタイプじゃない彼女には珍しく
どうすることもできないどこにも持って行き場のない感情を
自分のなかで持て余す半年があったらしい
その彼はかなりイケてて
彼女に言わせれば美形で背が高くてやさしくてカッコよくて他の女の子もチェックしてて
俺に言わせればそれはただ女食い散らかしてる俺の友人だったりして
でもそんなことは言えるわけもな
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