少年/チQ
 
膝、突き合わせて茶でも飲みながら始終お伽話のような妄想
転がって地中に落とすおむすびの行方知れず
まだまだ此処に居る意味さえも僕には解らないで偶然に期待をかけ
痺れる戸の向こう側のカタカタと鳴り響く音につられ参りました
数々の呼称歩いて行く先にまばら
神経が床踏みつけ跡は重なって消えゆく春の夜長
或いは、いつになく綺麗なあの人の仕草が気になって心底気になって
階段踏み外して嘲笑のド真ん中に佇む僕はいつの日からこうなったのか
未だ知れず紙片頼りに巡る空想世界の果てに光差す格子の悪魔と
緩んで波打つカーペットの鳴動がいざない
並べられた席替えの結果に一喜一憂する
[次のページ]
戻る   Point(1)