渡れ/
石川和広
君
言葉の深淵を
明るく渡れ
アイスコーヒーを
飲みながら
かろうじて
ぶらさがる
吊り橋
上から
光と荷物と
レシートが落ちてくる
それらすべての
降り注ぐ雨に
うたれながら
それらを糧と思え
忘れながら
氷が溶けていく
夕暮れにさらされ
話つづける
話ながら
百万回
生死をくりかえす
生まれる
夜の照明へ
僕と
影と喫茶店を
出る?
戻る
編
削
Point
(5)