渡れ/石川和広
 

言葉の深淵を
明るく渡れ


アイスコーヒーを
飲みながら

かろうじて
ぶらさがる
吊り橋

上から
光と荷物と
レシートが落ちてくる

それらすべての
降り注ぐ雨に
うたれながら
それらを糧と思え

忘れながら
氷が溶けていく

夕暮れにさらされ
話つづける

話ながら
百万回
生死をくりかえす

生まれる
夜の照明へ

僕と
影と喫茶店を
出る?

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