詩と作者と名前/つきのいし.
 
者を見ることは、自分を見つめることだ」と
よく言われているが、
つまり、他者をシャットアウトすれば、
自分の視野や感性も狭められてしまう気がする。

「作品」だけを、純粋に見つめることは大切だ。
でも、作者を付帯して読むことが、悪いという意味ではない。
もちろん、いろんな作者の背景や趣味や嗜好、人生が、
その作品に、より深い共感や共鳴やイメージを呼ぶこともあるからだ。

たとえば、美術館に行って絵を見て感動した時に、
その作者をつくづく調べて気に入らなかった時、感動した作品を否定してしまうのは、
自分の感性にとっても、良くない気がするのだ。

極端なことを言うと、

[次のページ]
戻る   Point(14)