影街/天使
朝 目覚めた時 すべてが真っ赤だった
サイレンの音か 人の声か 炎の音か
何がなんだかわからなかった
僕は一人 黒い渦巻きの中でうずくまった
体中が暑くて熱くて・・・・・
みんな逃げてゆく 僕はいろんな足にけられ続けた
僕は立って歩いた
みんな同じ方向へ逃げてゆくけど
僕だけ違う方向へ歩いていった
いろんな人に押されて 流されそうになったけど がんばった
やっと人ごみから出た時には もう山の上だった
空を見上げると黒い羽が次々と落ちている
やがてそれは すべてを吹っ飛ばした
さっきまで僕がいたところは 跡形もなくて・・・
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