海のみえる浜辺で/加藤泰清
わごむとはとばすものですよ
この目に焼きついて離れない海岸線
手を伸ばせば届く そういう場所
波打ち際に寝転んで星を数えているというのに
あなたは僕の隣りでそんな無粋なことを言う
鳥目のあなたは海に浸かっていた
僕はそれよりも上に気をとられた
星座を映し尽くした夜の空は
なんと流れ星を吐き出しているじゃないか
みろ じょうくうにはたこがせんかいしている!
星は塵芥と消えてしまった
あなたは相変わらず潤んだ瞳をこらしている
澄んでいけ澄んでいけ
くらげと花火が漂う海を指差して僕はそう唱え続けた
黄色い砂浜には
黄色いビールが良く似合う
海にいましばらくの別れを告げる前に
ビールを飲み干すあなたの目はさらに凛々と輝いて
はりせんぼんとはとてもだいじなやくそくです
そう言うあなたは笑顔が良く似合う
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