☆砂城☆/かおる
つづいていく
甘い誘惑のたかなみに
さらわれていった はな はな はな
うみにうかんだ 一枚の木の葉
日にさらされ
風にふかれ
雨にうたれ
やがて 沈み 朽ち果てるだろう
だけど
むせぶほどの 夏草に
ジンジンと 照りつける 圧倒的なひかり
こうばしさを ふりまきながら
トースト色した 手をのばし
あのこは 星を つかんだろうか
駆け出した 足あとを
くっきりと 砂に うつしていった
さんざめき いろをかえる
ひかりのうず
サラサラとこぼれる砂つぶを
ギュッと にぎりしめ
あのこは どこまで いくのだろう
ほら 砂のお城が
風にふかれ そして 跡形もなく
ただ 波だけが 静かに
寄せては返していきました
こんども 天使がやってきて
新たな お城が できました
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