僕のノートパソコン/haniwa
 
げた詩を書いて
これはどうだ、とノートパソコンに読ませた
「ありふれた詩ですね」とノートパソコンは答えた
僕は息も絶え絶えになりながら
本棚から萩原朔太郎の詩集を取り出し
『死なない蛸』をノートパソコンに読ませた
「すばらしい!言葉の一つ一つに重みがあり、特徴量が量子化されてもなおそのベクトルはある事象を揺ぎなく示唆している。これは本物の詩だ」とノートパソコンは言った
ふるえながら僕は次に谷川版マザーグースを読ませた
「言葉が洗練されている。のどかな雰囲気の中にも絶望的なノスタルジーが含まれており、自らの母親の暖かい手を思い出さずにはいられない。わたしは「しりがるジョーン」の詩が好
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