受験生諸君/大覚アキラ
す。天地神明に誓って。
母は、その一部始終を隣で見ていたのである。
繰り返すが、ぼくはその時、高校3年生で大学受験の直前だったのである。いわゆる“大事な時期”だったのである。人妻とか、ア●ル調教とか、そーゆーことにウツツを抜かしている場合ではないのである。
母の冷たい視線。
「ち、ち、ち、ち、ち、ちがう、ちがう、ちがう」
何が違うねん。
でも違うねん。
あああ。
「じゃあ、コレは何なの?」
「うーん、うーん、うーん、ワカリマセン」
脳、ほぼ機能停止状態である。
とにかく、その後、必死の弁明により、このビデオが送られてきたこと
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