受験生諸君/大覚アキラ
 
 かれこれ20年も前のこと。

 それは、大学受験も近い高校3年の1月のことだった。受験勉強(のようなこと)に勤しんでいたぼくのもとに、母がやってきた。

「なんか、小包が届いてるわよ」
 母の手には単行本ほどの大きさのボール紙のパッケージがあった。そんな荷物が届く予定など記憶になかったので、これはもしかすると何かの懸賞にでも当たったのかもしれない・・・などと(応募もしていないのに)ワクワクしながら小包を広げてみた。


 チラッと送り主を見ると、なんとかインターナショナル(記憶が定かではない)とかいう聞いたこともない社名が記されていた。普段であれば、怪しい!!!と感じていただろう
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