セミ/天使
夜 風の音とおもに騒ぎ出す
苦しい・・・いやだ・・・まだ・・・まだやりたいことがあるのに・・・
セミって可哀相だよね
好きな人がいても たった一瞬の日々しか愛する人と居れないんだもん
夜・・・一匹のセミが精一杯の声で鳴く
この世の未練や愛するものへの声
苦しい・・・いやだ・・まだ・・・死にたくない・・・
そう言っているようで・・・悲しくなる
一匹・・・また一匹・・・・
最後の力を振り絞って精一杯鳴く
セミの声が小さくなる・・・
僕はその鳴き声を聞きながら
「おつかれ・・・」
と一言呟く
そして心の中で
「がんばったね・・・」
と呟き
少し胸が苦しくなった
今度生まれ変わったならセミという短い命のものじゃなく
人間に生まれてきて欲しい・・・
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