しろい いきつぎ/
嘉村奈緒
て叫び続けて、泥土を必死にかきわける。そばでは波がねじれていて、私は怖くなって、待って、って、荒れ狂ったものを蹴飛ばして、風が強くて、皮膚が痛くて、しょうがないから、渦巻きみたいな声で、帰ろう、って
あなたはたくましい足で砂地を進む、おさかなだね、って言うと、そうだね、って笑う、こんな場所で二人だね、って、そうだね、って、泳ぐの。バタフライして、あお向けになって、あなたも、私も、顔をグシャグシャにして、嵐の中、家路につくの
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