あの子の勘違い/midori
 
からしたらただのストレスフルな動物。
尻でも思い切り蹴って転ばせて歩けなくしてやろかと老夫婦は笑った。
前向きな歌でも聞いてみようかとむりやりあの子の鼻歌を思い出す。
嗚呼だめだ。
嗚呼だめだ。
あのとき死んでしまえばよかった。
これ以上苦しみたくない
優しく寝かせてくれ。
わたしは待ち合わせに来られなかった友人の死に
責任をとらなければならないのだ。
友人の分まで生きようと誓った言葉も明日には忘れたふりをして。
カモフラージュする陰。
わたしを追いつけているのはドロドロした液体だった。
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